言祝ぎの子 弐 ー国立神役修詞高等学校ー



相変わらずな物言いに呆れて息を吐く。


「……こんな時間にどうしたの?」

【お前に関係ないだろ】



恵衣くんは厨房の中へはいると、食器棚からコップを取りだして水道を捻った。

恵衣くんも、水飲みに来たんだ……。


それならそう言えばいいのに、どうしてあんな言い方しか出来ないんだろう。


私も厨房の中へ入り、来光くんの冷蔵庫わ覗き込む。料理酒の瓶に【※ サイダー】と書かれた紙が貼ってあるものと、銀のバットに並べられたチョコパイを見つけて取り出した。


これだよね。うん、ちゃんと人数分ある。寮監に見つかる前に早く戻ろう。


よいしょ、と立ち上がり冷蔵庫を閉めた。


厨房を出る直前ちらりと恵衣くんを見た。

流しに手を付き、 反対の手で喉を押えて俯く背中に戸惑う。

どうしようと、出口とその横顔を見比べ、 恐る恐る口を開いた。



「……眠れないの?」



その問いかけに、恵衣くんはぴくりと肩を震わせて睨むように顔を上げた。



【だからお前には関係ないだろ。さっさと戻れよ】

「わ、分かってるよ。もう戻るもん。でも、そんな言い方しなくても……」


はあ、とわざとらしく息を吐いた恵衣くんは、私の手元に目を落とした。

怪訝な顔をした恵衣くん。


「……あ、これは……みんなに頼まれて」

【お前らまだやってるのか】

「えっと、うん。……あ、でも恵衣くんを呼んでないのは、亀世さんが"病人だから夜は休ませよう"って言ったからで、仲間はずれとかそんなんじゃ!」

【別にどうでもいい】