さあさあさあ、と二人は先生の顔に教科書を押し付けたまま先生の背中をぐいぐいと押す。 そして聖仁さんが振り返ると「20分、それが限界」と口パクで伝えてきた。 親指と人差し指で丸を作った鶴吉さんは小声で私たちに「行くぞ!」と囁くと、忍び足で廊下を進み始めた。