「聖仁さんのも、結びましょうか?」 「あー……いや、俺のは大丈夫。自分でできるよ、ありがとう。ほら、もうすぐ始まるよ」 舞台を指さした聖仁さんに釣られて前を向く。 黒いスーツの本庁の役員が開式を知らせる太鼓を打ち鳴らした。