「えええ!? 聖仁さん何やってんの!?」
「こ、こ、こんな所では止めとけ!? せめて鍵のかかった部屋でッ」
顔を真っ赤にした慶賀くんと泰紀くんがそう騒ぐ。
なんの事だと私達は首を傾げて顔を見合せて、「あ」と声をそろえる。
私の緋袴のリボンを結び直すために手をかけた聖仁さん。
カッと頬が暑くなった私とは正反対に、落ち着いた様子で「はい、出来たよ」と最後にきつくきゅっと引っ張る。
私よりも断然綺麗な蝶蝶結びだった。
「何勘違いしてるのか知らないけど、お前たちこそこんな所で何やってるの。門限過ぎてるよ」
「い、いやぁ! それにはちゃんとした訳があって……そうだよ! ちゃんとした訳があったんだよ!」
「とりあえず入っといで、見つかったら俺らまで叱られるからね」
ピシャン、と扉を閉めた皆は転がるように駆け寄ってきた。
「大大大大、大ニュース!」
「超朗報だぜ!?」
「ついさっき先生たちが言ってたの聞いたんだよ!」
わーっと一気に話し始めた皆に聖仁さんは苦笑いで「落ち着いて」と宥める。



