「私も一緒に調べてもいいですか?」

「ああ、もちろん。じゃあ巫寿は私のノートを見て、なにか見落としているものは無いか調べてくれ」


はい!と気合を入れて返事をして椅子に座り直しノートを開いた。

その時、


「────なんでだよ!? 俺ら何も悪いことはしてないじゃん!」

「そうだぜ陶護先生! 俺らなりに助けになればなって思って!」

「だからって入院してる学生を叩き起して病状の聞き込みをして良い訳じゃありません! そもそも立ち入り禁止だって言ったでしょう!?」


文殿の入口が騒がしくなって「何事だ?」と皆が棚の影から顔をのぞかせる。

そこには陶護先生に首根っこを掴まれた慶賀くんたちがいた。


「暫くの間は罰則です! 文殿の清掃! 全く、次から次へと……」

「ええっ! そんなのあんまりだ!」

「いつまで!?」

「一週間やそこらで解放したらまた同じことを繰り返すでしょうし……一連の騒動が落ち着くまでです!」

「そんなっ! 僕は関係ないのに……!」


ピシャン、と文殿の戸が閉められて、みんなはその場にヘナヘナと崩れ落ちた。

くく、と喉の奥で笑った亀世さんはヒラヒラと手を振りながらみんなに歩み寄った。