けけけ、と似たような笑い方をした二人に聖仁さんは深く息を吐いて額に手を当てた。
「とりあえずもう大丈夫だから。俺たち行くね」
「止めとけ。そんな状態で行っても巫寿に迷惑をかけるだけだぞ」
「まだフラフラじゃねぇか」
そんなの言ってられないよ、と肩を竦めた聖仁さん。
まだ頬の色が戻らない聖仁さんに眉根を寄せる。
良く考えれば、私の練習に付き合っている聖仁さんは私以上に疲れているはずだ。それなのに嫌な顔もせず、毎日時間を割いてくれていたんだ。
「あの」
「ん?」
恐る恐る手を挙げると聖仁さんは不思議そうな顔をした。
「私も……足の裏ずるむけで。今日の自主練は、なしでもいいですか……?」
目を瞬かせた聖仁さん。
数秒後、ふっと目を細めると柔らかい笑みを浮かべた。
「そうだね。今日はなしにしようか。休むことも大切だね」
良かった、と小さく息を吐く。
「やるな巫寿」
「すげぇ〜。この練習馬鹿を休ませられるなんて、瑞祥くらいだと思ってた」
亀世さんたちは感心したように目を見開いて拍手する。
そんなに大袈裟なことなのだろうか。