「聖仁と瑞祥がよく話してた巫寿か。俺、飛鳥馬(あすま)鶴吉(つるきち)。聖仁たちと同じクラスだ。よろしく」


差し出された手を握り返しながら二人の顔を見比べる。

違うところを探す方が難しいほどそっくりで、まるで鏡でも見ているみたいだ。体型さえ違わなければ、見分けはつかないだろう。

もしかして二人って。


「私が妹、こっちが兄貴。双子な」


やっぱりそうなんだ。

小学校の頃は同級生に双子の男の子がいたけれど、そこまで似ていなかった。

男女でもここまでそっくりな顔に生まれるんだな、と妙に感心する。


「六限目が自習だったから文殿で調べ物してたんだが、こいつそのまま眠りこけちまってな。毎日放課後は月兎の舞の練習に行ってたから、どうしたものかと思って」

「そうだったんですね」


テーブルに突っ伏してすうすうと寝息を立てる聖仁さんは少し新鮮だ。

私から見た聖仁さんはいつもどんな時でも完璧で頼れる超人だったから、こうして休んでいる姿を見ると少し安心する。


「叩き起すか? 丁度いい爆竹あるぞ」

「ば、爆竹……?」


慶賀くんの部活動の先輩なだけあって思考回路が彼とほぼ同じだ。


「爆竹は流石にやばいだろ。代わりに俺が作った祝詞試していい?」

「クク、やってみるか」

「前に部活で来光に試した時は、一時間笑い続けてたな〜」