量の正面玄関を出て、社頭へ向かう階段を並んでおりた。

いつも昼食後の休憩時間は初等部の子供たちが社頭や運動場で遊んでいるのだけれど、学校閉鎖になってしまったのでシンとしていた。


黙って歩き続ける聖仁さんに耐えきれず、口を開く。


「聖仁さん。あの、話って……」

「ん? ああ、ごめん。ぼうっとしてた」

「大丈夫ですか……? 少し顔色が」

「大丈夫だよ、ちょっと考え事してたら寝不足で」


力なく笑った姿に、寝不足になるほど考えていたことは嫌でも分かる。



「瑞祥さん……大丈夫なんですか」

「うん、明け方頃に少し熱が下がって、話せるくらいには回復したよ。────声は、出ないんだけど」

「そんな……」

「瑞祥が、他の部員に心配かけたくないから黙ってろって言ってるんだ。だから内緒ね」



神妙にひとつ頷いて、「あれ」と少し胸に引っかかった。

内緒だと言われたなら、私に話してしまっても良かったんだろうか。



「それで────」


歩みを止めた聖仁。

不思議に思いながら振り向き顔を見上げた。