「お前ピアノ弾けんの!?」 「うん。あれ、言ってなかった? 三歳から小学校卒業するまで習ってたからそれなりに弾けるよ」 「すっげー!! ばばばばーんってヤツも出来んの!?」 普段二人から蔑ろに扱われ悪戯の標的にされる来光くんだ。 二人から向けられる純粋な尊敬の眼差しが嬉しいのか、ちょっと感動したように瞳を潤ませて自慢げに「まあね」と鼻をさすった。