なんだか大変なことになったな、と眉を顰める。


次々と正体不明の病気にかかる学生が増えている。

体調は良くなった学生もチラホラいるみたいだけれど、依然声は戻らないままだと聞いている。嘉正くんもまだ微熱が続いているらしく、医務室から退院出来ていない。

それに先日は────。


虚ろな表情の瑞祥さんと、顔を強ばらせた聖仁さんを思い出して唇を結んだ。


「おっはよー! あれ、お前らなにそんな険しい顔してんの?」

「なんだよ来光、便秘か? 俺はさっきバカでかいの出たぞ!」


朝ごはんのお禅を持った慶賀くんと泰紀くんが現れる。いつもと変わらない二人の姿になんだか肩の力が抜けた。


早く落ち着けばいいんだけれど、と人の少ない広間を見渡し目を伏せた。