聖仁さんは不自然に赤くなった頬を見て、そっとその首に触れた。

触れた途端酷く驚いた顔をして、すぐに瑞祥さんを背に担いだ。


「皆しばらく自主練! 下校時間までに僕が戻らなかったら、各自解散して!」


それだけを言い残すと富宇先生と共に練習室を飛び出した。

開けたままの扉をみんなが不安げに見つめる。


嫌な胸騒ぎがしてぎゅっと手のひらを握りしめた。