「それと神楽発表の代表生徒だけれど、今年も神楽部から選ばれました。ふふふ、先生鼻が高いわ。初等部低学年からは三年生の和賀ちゃんと尊くん、初等部高学年からは六年生の────」
神楽発表の代表生徒? 一体なんのことだろう。
富宇先生が次々と名前を呼び上げていく中で、みんなは聞き漏らすまいと耳をこらし一喜一憂している。
隣の玉珠ちゃんも必死に手を合わせていて、ちょっと聞にくかった。
「初等部、中等部、高等部で一番舞が上手い学生が選ばれるんだよ。選ばれた生徒は奉納祭で生徒代表として一人で演舞するんだ」
「聖仁さん」
後ろからみんなを見守っていた聖仁さんが私の隣に腰を下ろしそう耳打ちしてくれた。
そう言われてピンと来た。
一学期に富宇先生に見せてもらったお母さんの奉納舞の映像が、たしかそうだったはずだ。
その時はいまいちピンと来ていなかったけれど、高等部の代表ということは二年生や三年生を押しのけて一年生だったお母さんが代表になったということ。
お母さん、高等部で一番舞が上手かったんだ……。