私も「びっくりしたー……」と灰の空気を全部吐き出しながら呟く。
バクバクうるさい心臓を服の上から抑えた。
「どう見てもあいつが全て犯人だろ……」
顔を顰めた泰紀くん。
「僕もそう思うけど、鳥居の一件の時だって違ったじゃん。決めつけるのは良くないよ」
「分かってるけどさー」
よろよろと立ち上がったみんなが歩き出した。
それにしても、嬉々先生の言葉が引っかかる。
"一年の割にはなかなかの推察力だな"
まるで嬉々先生は答えがわかっていて、私たちの推理がその正解に近いとでも言うかのようだ。
来光くんの言う通り、何でも決めつけるのは良くないと分かってはいるけれど、いちいち胸の片隅に引っかかる。
「巫寿ー? チャイム鳴っちゃうぞー!」
「あっ……今行く!」
先を歩く背中を慌てて追いかけた。