ファストフード店でお昼を済ませたあと、私たちは日が暮れるまで商店街をブラブラ歩いた。

そして約束の十八時に駅前に戻ってくると、浴衣姿の恵理ちゃんの姿があった。


「あ、みこー!」


袖を押えながら大きく手を振る恵理ちゃんに答える。

恵理ちゃんは目を輝かせて首をめぐらせると、興奮気味に私の耳元に顔を寄せた。


「えっ、待って待って。男友達とは聞いてたけど、顔面偏差値高くない!?」

「へ、偏差値?」

「んもう! 昔からこの手の話には疎いんだから!」


焦れったそうに私の方をばしばしと叩くと、こほんと咳払いをしてみんなに向き直った。


「はじめまして、相澤恵理(あいざわえり)です! みこ(・・)とは幼稚園の頃からの幼なじみです!」


恵理ちゃんはしきりに前髪を引っ張りながらはにかんだ。


「はじめまして、恵理ちゃん。巫寿のクラスメイトの(うべ)嘉正(かしょう)です」


ぽっと頬を赤くした恵理ちゃんはぺこぺこと何度も頭を下げる。

自己紹介を簡単に済ませ、私たちはゆいもりの社へ向かって歩き出した。