「────ファンクラブぅ?」


その日の夕食の席で、神楽部で聞いた話を伝えると案の定みんなして苦い顔をした。

私と同じで他のみんなも鳥居の一件は苦い思い出だったらしい。


「何々担ってのがあるみたいで……あ、担っていうのは何々のファンって意味なんだけど」

「ぼ、僕にファンがいるの……?」


信じられない、と目を見開いた来光くんがハッと後ろを振り返る。キャッと黄色い悲鳴が上がり、顔を真っ赤にして俯いた。


「おお〜、来光担結構いるじゃん!」

「か、からかうなよっ」


来光くんはがつがつとお米をかきこんだ。


「とにかく人に見られてるってことだろ。これからの行動は慎むように。特に三馬鹿」

「だからいつも言ってるけど僕を頭数に入れないで!」


ぷりぷり怒る来光くんにくすくす笑いながら、「でも確かにそうだよなぁ」と心の中で思う。

皆から見られているということは、いつもよりも自分の行動には気をつけないといけないという事だ。