盛福ちゃんと玉珠ちゃん指導の元基礎練習を1時間ばかり教えてもらった後、休憩の号令がかかる。

ふう、と息を吐いたその瞬間両側から腕をガッシリと掴まれて「え!?」と声を上げる。


「巫寿さん!」

「み、巫寿さん……!」


見れば頬を赤くして目をキラキラ輝かせた盛福ちゃんとちゃんが私を見上げていた。


「う、うん?」

「あの話、聞かせてください!!」

「聞かせてください……っ」


何の話かさっぱり分からず目を瞬かせていると、二人はわらわらと集まりだした部員を跳ね除けて私を部屋の隅へ引っ張る。


「おい盛福! 抜け駆けすんなしー!」

「ずりぃぞお前ら!」


男の子たちのそんな声が聞こえて余計に困惑する。

そんな男の子たちにべぇっと舌を出して笑った盛福ちゃんは、「巫寿さん、ここ座って!」と私を促す。


言われるがまま畳の上に腰を下ろすと、二人はすとんと私の前に正座をして身を乗り出した。



「あの話、本当ですか!?」

「あの、ごめんね。さっきから何の話かな……?」

「もー! 巫寿さんったら、謙遜しちゃって!」

「け、謙遜?」