「はいはい、気になるのは分かるけれど部活の後でね。練習に戻って」


部長のケチー、と不服そうな声はあったものの皆は練習に戻り始める。


「瑞祥、盛福(せいふく)玉珠(ぎょくじゅ)。ちょっと来て」


瑞祥さんは知っているけれど、後のふたりは聞いた事のない名前だった。

再び戻ってきたのは瑞祥さんと、中等部の体操服姿の女の子二人だった。



一人はショートカットが良く似合うはつらつとした女の子で、目をキラキラ輝かせながら私をみあげる。

もう1人の女の子は眼鏡をかけたお下げ髪の女の子、私と目が合うと恥ずかしそうにはにかんで足元に目線を落とす。


「初等部は今日はいないんだけど、神楽部の女子部員だよ。二人とも自己紹介してあげて」

「はーい! 中等部三年の蛍原(ほとはら)盛福(せいふく)です! よろしくお願いします、巫寿さん!」


勢いよくぺこりと頭を下げた盛福ちゃんに私も頭を下げる。


「ちゅ、中等部二年の、妻夫木(つまぶき)玉珠(ぎょくじゅ)です……!」


お下げの女の子が玉珠ちゃんという名前らしい。

よろしくお願いします、と笑いかけると顔を真っ赤にして何度もペコペコと頭を下げる。