来光くんはもう語り慣れたかのように変異種、と口にしたけれど、私の中ではしこりのように固く残る。
出自だけで人を分けて差別するだなんて、そんなのは間違っているはずなのに。
「ま、そういう考え方だからさ、僕が編入してきた初日に"お前は変異種なんだから、せめて俺の迷惑にはならないようにしてくれ"っていきなり言われてね。その時はまだ意味が分からなかったけど、馬鹿にされたのはよく分かったよ。そんな奴と仲良くなんて出来ないでしょ?」
確かに私が来光くんだったら、同じように彼のことを嫌っていただろう。
お兄ちゃんからは両親が社はさを管理していたという話は聞いていない。恵衣くんが嫌う条件に当てはまっている。
だからあんなにも冷たい態度を取られていたのだろうか。
嘉正くん達のように恵衣くんと仲良くなりたいとは思わないけれど、今後ずっとこんな関係が続くのかと思うとちょっと苦しい。
はぁ、とため息をこぼした。