『普通の人の祭りなの?』
『ああ! でもこっち側の社だし、あやかしとも交流が深いから面白いと思うぞ!』
『なるほど、こっち側の社なら親に出かける言い訳が出来そう』
『だろ? みんな適当に手伝いだとか経験積むためだとか言って集まろうぜ!』
トントン拍子に話が進む。
今年は補習もあるしお祭りには行けないかなと少し残念に思っていたので二つ返事で答えた。
『場所はどこ? 鬼脈で一回集まる?』
『僕、迎門の面を買う余裕がないから遠いと行けないかも』
『それなら大丈夫、みんなそんなに遠くないと思う』
確かみんな、出身地は東日本側だったはずだ。
慶賀くんはカメラの見えないところで何かをゴソゴソと漁る。
ジャーン、と効果音をつけて、画面いっぱいになにかのチラシを差し出した。
そこに書かれた文字に「あっ」と声を上げた。