「お兄ちゃん!?」


え!?と皆が驚いた顔をする。



「五秒数えたら扉から離れて、直ぐに外に出てこい!」

「で、でも外には」

「兄ちゃんを信じろ!」


扉がドンとまた激しく揺れて歯を食いしばる。


「巫寿のお兄さんを信じよう、もうそれしかない!」


嘉正くんのその言葉にみんなが頷く。



「……ッ、分かった!」

「よし!」


五、四、とお兄ちゃんが数を数え出す。皆は座り込んでいた腰をうかして、体制を整える。

みんなで顔を見合せてひとつ頷いた。



「三、二──── 一ッ!」


私たちは床を強く蹴って扉から離れる。次の瞬間、ドォンッ!と激しい爆発音とと背中に強い熱を感じた。

振り返れば扉は青い炎で包み込まれていた。


「行くぞ!」


泰紀くんがいち早く立ち上がってそう叫ぶと、青く燃える扉を足で蹴飛ばす。

音を立てて外れた扉を飛び越えて外に出ると、着地と同時に強く抱き締められた。



「馬鹿! こんな所で何やってんだ!」

「お兄ちゃん……!」



泣き出しそうな顔をしてそう怒鳴るお兄ちゃんに私まで泣きそうになった。