「どうする!? どうする!!」
「薫先生に電話しろ、すぐそこにいるだろ!」
「無理だよスマホ荷物の中!」
「なんか考えろよチーム出仕のブレーン!」
「無茶言うなよッ!」
ダンッ、ダンッと激しく扉が揺れてメリメリと嫌な音がし始める。
「牛鬼の退治の仕方は!?」
ちらっとみただけの記憶を必死にたどる。
「た、確か、物語では首を切り落とすって……!」
「武器もないし俺らだけじゃ無理だ! 神職四五人で戦う妖だぞこれ!?」
バコ、と音を立てて扉の一部が膨らんだ。牛鬼が扉に爪を立てて押し出したんだ。
ひ、と来光くんの息を飲む声が聞こえた。
ダメだ、このままじゃ扉が持たない……!
どうにかしないと、このままじゃ全員────ッ
「────そこに居るのか巫寿ッ!?」
遠くから私を呼ぶ声がした。
目を見開いて扉を見上げる。