結局スーパーは閉まっていたので24時間営業のコンビニに入った。
「米なんて売ってねぇよ。チンするやつでいいかな?」
「そもそも俺らって未成年だから酒買えねぇし」
「薫先生に聞いたら、チンするやつやつでもいいって。酒は料理酒でも可って言ってる」
「なんか適当だね」
「……って誰かが言ったら"こういうのは気持ちなんだよ"って言えって」
嘉正くんは私と顔を合わせると苦笑いで肩をすくめる。
たまらずくすくすと笑った。
「あ、あと領収書も貰って来いって。経費で落とすらしい」
「なんだよ、薫先生のポケットマネーかと思ったのに」
薫先生からお財布を預かっていたので、チャンスとばかりに次々と自分たちのお菓子を放り込んでいた皆は少しつまらなさそうに「なーんだ」と零す。
「にしても薫先生の財布、ヴィトンだぜ」
「この黒いカード怖すぎて僕触れないんだけど」
「神職って階位ごとに給料変わるらしいよ。神修の教職ならプラスで貰うんだって。本庁の職員はそれ以上だって言うし」
ひええ、と皆は顔をひきつらせる。
唯一泰紀くんだけが瞳を輝かせて「具体的に月いくら!?」と身を乗り出した。