感心したように何度もうんうんと頷く。
「じゃあまとめると、どういうことがわかるかな? 代表して嘉正」
嘉正くんは顎に手を当てて首を捻った。
「御祭神様がいなくても神徳が残っているなら、病院内の浮遊霊や地縛霊の仕業ではないはず……そもそも祠が生きているなら、病院内での悪戯は出来ないはずだから────原因は外だ」
薫先生が指を鳴らして「そういうこと」と決め台詞のように言った。
「薫先生が分かってたなら、俺らが調べる必要ねぇじゃん」
「言ったでしょ? これは授業の一環、君たちに経験を積ませるための実習なの」
へいへい、と慶賀くんは唇をとがらせた。
「みんなの推測は大正解。けどここからはまだ習っていない範囲だから、しっかり聞いとくように」
はーい、とみんなは声を揃えた。