まだ数ヶ月しか過ごしていないけれど沢山のことがあった。
辛いこともあったし苦しいこともあった。
でもいつも周りにはみんながいて、みんなと一緒だったから乗り越えられた。それが楽しかった。
みんな、家族みたいに暖かくて心地よかった。
なにより守られてばかりだった自分が役に立てることを知った。それが何よりも嬉しかった。
「俺だって、巫寿が居なくなったら寂しいと思う。慶賀も嘉正も来光も、薫先生も。それに俺らよりよっぽどイイもん持ってるんだしさ、勿体ねぇよ」
泰紀くんは少し肩を竦めてニカッと笑った。
「巫寿はどうしたい?」
答えられなかった問いかけ、今ならもう迷わず答えられる。
"私が"どうしたいか。
「辞めたくない。神修でもっと学びたい、強くなりたい」