でも、それ以上に大切なのは私の唯一の家族。 お兄ちゃんは自分を犠牲にしてまで、私をここまで守ってくれた。 私が今のこの気持ちを優先すれば、お兄ちゃんはもっと苦しんでしまうかもしれない。今以上に悲しむかもしれない。 私にはそんなこと、できないよ。 だから、これで最後。 必ずこれで最後にしよう。 「……ごめんね、大丈夫だよ。行こう」 今日を最後にもう関わらない。あれほど望んでいた普通の生活に戻るだけだから。