「行ってきますのおまじない……まさか祝詞だとは思わなかったな」 「……矛盾してるよな。巫寿にはこの世界に関わるなって言っておきながら、俺はこうして毎日祝詞を奏上してるんだから」 小さく首を振って笑った。 「このおまじない────祝詞のおかげで、魑魅に襲われた時に助かったんだよ」 「俺はこれからも巫寿を守れるなら何だってする」 「……でも、無理はしないで」 分かってるよ、とお兄ちゃんは私の頬をつねった。