「当たり前でしょ。こんな面白い話当分出てこないよ」
「でも泰紀くんがちょっと可哀想」
「こういうのは初めに盛大に弄られる方が後々の泰紀のためにもいいんだよ」
そういうものなの?と首を傾げる。
でも、何か知っているかと聞かれても、恵理ちゃんから大した話は聞いていない。
連絡先を交換した日からメッセージはマメに送っているけれど返信が遅いのだと嘆いていたのはよく覚えているんだけれど……。
「恵理ちゃんが、もう少し連絡が欲しいって言ってたかな」
「うぇーい! もうちょっと連絡してやれよ泰紀!」
お湯がわかせそうなほど顔を真っ赤にした泰紀くん。もう少しで蒸気でも噴き出しそうだ。
「なんで直ぐに返事してあげないの?」
「なっ! 嘉正お前まで!」
「純粋な疑問だよ。俺たちからの連絡はすぐに返すじゃん」
そう言われてみればそうだ。
トークアプリの「チーム出仕」グループでは夏休みの間もよくみんなで喋っていた。
だいたい慶賀くんと泰紀くんが一番最初に反応して、次に私と来光くん、一番最後に嘉正くんがメッセージを送ってくる流れが多い。