「あらー、それもダメになっちゃったのね」 「ごめんなさい、富宇先生……」 「大丈夫大丈夫。卒業生の使い古しを寄贈してもらったから、元から壊れているものが多いの。それもきっと寿命だったのね」 よっこらせ、と立ち上がった富宇先生は「他に綺麗なのあったかしら」と探し始める。 「巫寿さんも巫女職に進むなら、自分のを用意してもいいかもしれないわねぇ」 はい、と返事をしながら鈴を光にかざす。 神具が壊れるなんてなんだか縁起が悪いな。