あっという間にいつもの雰囲気に戻った私たちは談笑しながら、少し涼しくなった夕方の歩道をゆっくりと歩いた。
駅が見えてきて、誰かがこちらに向かって大きく手を振っているのが見えた。
「みーこー! みんなー!」
「恵理ちゃん!」
私たちは手を振り返して駆け寄った。
「あれ、恵理ちゃんどうしたの?」
「みこから今日みんなが帰るって聞いて、お見送りしたかったの」
「わざわざありがとう」
ううん、と少しはにかんで恵理ちゃんは肩を竦めた。
次の電車が来るまで少し時間があったので、駅の影に入ってみんなで少し立ち話をした。
恵理ちゃんは昨日の晩にした家族会議のことを話してくれた。
結局、おばあちゃんはやはり施設に入ることに決めたんだとか。でもそれはおばあちゃん自らの意思でそう決めたらしい。
今日の朝神棚に手を合わせた時に、御祭神さまにはそう報告したんだと教えてくれた。
「おばあちゃんの代わりになるかは分からないけど……これからは私が毎日手を合わせることにしたの。認めてもらえるかな」
恵理ちゃんは眉を下げて肩を竦めた。