疲れ切っていた私達はその日は泥のように眠った。

みんなはもう一泊玉じいの家に泊まって、夕方近くにやっと起きだし遅い朝ごはんを食べた。

幸いなことに傷もすっかり癒えた泰紀くんと慶賀くんは、まだ少し疲れた顔をしていたけどもう具合は良いらしい。


みんなでもう一発ずつ禄輪さんから拳骨を頂戴してから、荷物を纏めて駅に向かった。


「────控えめに言って死ぬかと思った」


駅へ向かう道すがら、慶賀くんはげっそりした顔でそう言った。


「あれは例えるならそう……全身に包丁を突き立てられるような……」

「んなの生易しいぞ慶賀。全身の皮膚を力任せに剥かれる感じだったな」


私たちには想像もできないような痛みにごくりと息を飲んだ。


「ごめん、俺が」

「あー、やめろやめろ! 謝るなって!」


何か言いかけた嘉正くんを泰紀くんは苦笑いで片手で制した。


「俺たちもオーサキだって思ってたし、嘉正のやり方に納得して従ったんだ。それでこうなったんだから自業自得だって」

「そーそー。寧ろ女の子の巫寿がこうならなくって良かったよ! あとひょろひょろの来光もな」

「ちょっと感動してた僕の心返してくれる?」