「あれ、もう?」
「ん?どうした~?」
ネットニュースをスクロールしていた指が止まった。
マジか~もう少しは楽しめると思ってた。

「ほらこれ見て」
そういってスマホの画面を友達に見せる。
「え~はや~。じゃあもうこの話題は終わりだね」
「ね~また1からだよ、面倒だね」
「今回結構引っ張った方じゃない?」
「まあね」

友達はブーと頬を膨らませる私をツンとつついて隣に座る。

『田中りく 家を燃やして死亡確認 一家心中か』

こんなニュースもって3日だろう。
林きらりも田中りくもあと3日すればこの世の記憶から消え失せる。
暇な毎日を潤したければおもちゃは自分で作らなきゃ。
人の作った砂場で遊ぼうとするから怪我するんでしょ。

「で、次はどんな名前にするの?林きらりちゃん」

私の頬をつっつく指は私のほっぺをつまみ、ぐいーっと引っ張った。

「その名前はもう捨てたの!次何にしようかな~」

元林きらりは漫画をペラペラとめくりながら次の自分の名前を探した。

「田中りくの土下座みた?」
「見た見た。思ってもない癖に気持ち悪い謝罪だった」
「辛辣だなあ。素直ないい子だったじゃん」
「馬鹿なだけでしょ。私達がこうしてほしいな~って思ったこと全部さらっていってくれたよ」
「それな。ああいう身の程知らずのいきり陰キャが1番ちょろい」
「ライブでスマホ画面映った時しめたって思っただろうね」
「あの時の顔見てやりたかった。わざとだよってね」
「全部私達が仕組んで、動画も私達が晒してたのに私に泣きついてきたし」
「面白すぎる。暴露系も嘘の情報とかバンバン流してくれたしね」
「まじあいつキモかった~。あいつも頭悪かったね」

思い出話に花が咲く。
全部わたしと元きらりが仕組んだこと。
元きらりがネットで叩かれる。私は闇垢に漬け込む。
自作の通話アプリをインストールさせたら全部こっちのもん。
相手のスマホの情報は全部こっちの手中に入る。
そっからは騙された奴に優しさでつけこんで調子乗らせて、そいつが人生最高な時に叩き潰す。
これが私達の遊びだった。
最高。

「決めた~次の名前」
「お、おけ~じゃあこの前言ってたやつにDMおくるね」
「はいよ。私もそろそろ顔変えんとな~」


>こんにちは@hametu.-.です。よかったらお話しませんか?


















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