家の外はもうすっかり暗い。 月のない空に星灯かりがひそかに煌いている。 これから帰る家に、心配して待っている家族が待っているかは分からなくて、 それでも、私は胸いっぱいに夜の空気を吸って少しだけ早足で歩く。 いるかいないかは分からないけど、「ただいま」だけは絶対に言おうって、 そう心に決めて微笑みながら。