* * *
この世で一番嫌いなのは自分だった。
お父さん、お母さん、クラスメート、嫌いな人はたくさんいて、でもその人たちを嫌いになってしまう自分が、誰よりも一番大嫌いだった。
仕事で忙しくてなかなか帰ってこないお父さんお母さん、いつまでも空っぽのままの部屋、ただいまを言っても誰の声も返ってこない家。
いつの間にかおはようも行ってきますもただいまもおかえりも、私の唇から消えていた。
色んなことを我慢して、勉強もたくさん頑張って。
でも、ご褒美をくれる家族はいなくて。
今まで高くても八十点台しか取れなかった定期テストで初めて百点を取った夜、一晩中ずっと起きて親の帰りを待っていた私に、朝三時ごろ帰宅したお母さんが真っ青になってまず言った言葉は「いつまで起きてるの!!」だった。
逃げるようにベッドに入った私は当然寝坊をして、朝起きるなりお父さんに軽くお説教され、学校に遅刻すると言ってはお母さんは「あんなに夜更かしするなんて」と嘆いていた。
今まではそんな子じゃなかったのに、と。
もう二度とテストなんか見せない、と泣きながら学校への道を走った私は、でもどうせ明日には全部忘れてけろっとテストを見せているんだろうなと思って、また自分が嫌になって。
結局数日後テストを見せたら二人とも喜んで、何かあげるねとか、お祝いしなくちゃとか、明日は早く帰るからとかいろいろ言ったけど、実現したものは一つもなかった。
この世で一番嫌いなのは自分だった。
お父さん、お母さん、クラスメート、嫌いな人はたくさんいて、でもその人たちを嫌いになってしまう自分が、誰よりも一番大嫌いだった。
仕事で忙しくてなかなか帰ってこないお父さんお母さん、いつまでも空っぽのままの部屋、ただいまを言っても誰の声も返ってこない家。
いつの間にかおはようも行ってきますもただいまもおかえりも、私の唇から消えていた。
色んなことを我慢して、勉強もたくさん頑張って。
でも、ご褒美をくれる家族はいなくて。
今まで高くても八十点台しか取れなかった定期テストで初めて百点を取った夜、一晩中ずっと起きて親の帰りを待っていた私に、朝三時ごろ帰宅したお母さんが真っ青になってまず言った言葉は「いつまで起きてるの!!」だった。
逃げるようにベッドに入った私は当然寝坊をして、朝起きるなりお父さんに軽くお説教され、学校に遅刻すると言ってはお母さんは「あんなに夜更かしするなんて」と嘆いていた。
今まではそんな子じゃなかったのに、と。
もう二度とテストなんか見せない、と泣きながら学校への道を走った私は、でもどうせ明日には全部忘れてけろっとテストを見せているんだろうなと思って、また自分が嫌になって。
結局数日後テストを見せたら二人とも喜んで、何かあげるねとか、お祝いしなくちゃとか、明日は早く帰るからとかいろいろ言ったけど、実現したものは一つもなかった。