1月初旬、少々雪が積もってきたころ。

 大掃除から数日、大ニュースが飛び込んできた。

「父さん達が帰ってくるって!」
「嘘!また会えるの!嬉しすぎ!」

 遠くで食器をガシャンと音を立てている。

「大丈夫か?!夜空。」
「大丈夫なわけないでしょう!?1年ぶりよ!待ってられないわ。」

 帰ってくるのは明後日だと言う。

 降雪の関係で冬休みも伸びたばかりだ。

 全力で楽しもうと誓った。

 2人を迎える準備をすることになった。

 豪華な料理と飾りとともに2人の帰りを待つのだ。

「早く来ないかしら。」
「まだ…あっ!あの車そうじゃない!?」
「間違いないな!」

 メタリックがかったダークグレーのワゴン車、あれは父の車だ。

 車庫に久しぶりに車が入る。

「夜空、真昼、朝日!ただいま帰ったわよ!」
「お母さん!おかえりなさい!」
「おかえり、ママ!元気?!」
「えぇ、とっても元気よ!」

 少し巻いた黒い長髪を下ろしている彼女は、黄昏李月、俺らの母だ。

「ほら、朝日!パパだよ!久しぶり!」
「やめろ…!聞くまでもなく、元気そうでなによりだよ!」
「一応団長だから、体調管理はしっかりしてるよ…!?全く、朝日のツンツンは変わらないかぁ。」

 焦げ茶の軽い天パをセンター分けにしてる彼は、暁陽翔、俺らの父だ。