今日お出かけしたのは、もうひとつ理由がある。

 ショッピングモールから電車で少し遠くに出た。

 日が落ちるのが早い、まだ5時にもなってないのに星が綺麗だ。

 目的地は駅を降りてすぐにある。

「わぁ〜〜!やっぱり綺麗ね、イルミネーション!」
「そうだな、こうゆうの感動するよな…」

 無性に泣きたくなった。

 何故だろうか、今まで抑えてきたものが押し寄せてくる。

「ズズッ…!」
「?風邪…って!どうしたのよ?!」

 涙が止まりそうにない。

 こんなところでボロボロ泣くなんて、男だろ…!

 見られている…今日はイブだからカップルが多い。

「ごめ…あ〜…ダサ…ズズッ…!」
「…!もう、仕方ないわね…」
 
 腰あたりに何かある。

 涙で前が見えない…

「大丈夫よ…朝日は頑張ってるわ。」

 すごい近くで聞こえる。

 夜空が抱きついているのだ。

「朝日は口に出すのが下手だから…」
「人のこと、言えねぇだろうが…!」
「しっ!泣きたいなら泣きなさい。別にダサくなんてないわ。男だって女だって人間よ、泣きたい時はあるわ。」

 それが1番涙腺にくる。

 夜空の肩に目を伏せ、声を殺して泣いた。

 こんなに泣いたのはいつぶりだろうな。

 心のどこかスッキリした気もする。

 小さくトクトクという振動を感じる。

 温かい…