アーチェリーを始めて1時間たったか?

 やっと的にあたるようになった頃だった。

「あれれ?かっこいいお兄さん発見〜!1人?」
「ぇっ…!」

 誰だよこいつ、馴れ馴れしい上に隣で夜空と話していただろうが。

「一緒にやろ〜?」
「なんすか?俺、彼女と来てるんで。」
「え〜…彼女ちゃん、彼氏くん貸してよ!」
「いいと、言うとでも?」

 積極的またウザくて何よりだ。

「何あんた、私の方が女の子っぽくて可愛いのに。そうだ!対決しよ!私とあんたでアーチェリー対決!勝った方がこの子と遊ぶの!どう?」

 いや、なんでだよ、何で俺が勝者のために…

「おい、夜空。とりあえずこいつから離れんぞ。」

 コソッと耳元で言ったが、何も言ってこない。

「……、朝日は『もの』じゃないわ。私の彼氏であって、1人の人間よ。」

 よしそのまま、勝負なんてすんな。

「私、人をもの扱いする人嫌いなの。いいわよ、対決。受けてあげるわ。」

 俺は深いため息をついた。

 こうゆうところは双子揃って、いや母子(おやこ)揃って似ている。