俺は義姉である夜空に恋をしていた。いけないのかも………って何度も思った。でも、あのストレートの黒髪、澄んでいる黒い瞳、耳に残るような高い声、生白く透き通っているかのような肌…そして、学年上位を維持する頭脳、皆をまとめあげるリーダ力、面倒見のいいしっかりとした性格……
 ついたあだ名は『黒い彼岸花』。良くも悪くも空気を読まない高嶺の花。あいつの全てが、尊く感じた。
 でも…血は繋がっていたくとも、姉弟…夜空の人生を縛ってしまうようで、何も言っていなかった。
 事は、そこから始まっていた…