『上手、上手。そうゆうことだよ、朝日くん。夜空ちゃんが助かったのは君のおかげさ。大切にするんだよ。幸あれ。』
「はっ!はーはー…」

 気づけば俺も病院のベットの上だった。またあいつの声だった、でも過去に戻っていない。記憶が朧げだ。

 夜空を助けに和蘭に行って、海に飛び込んで…

「夜空!」
「隣にいるわ。おはよう、朝日。あんなこと言った後だと、少し気恥ずかしいわね。」

 夜空は元気そうな表情を見せた。

「覚えてないの?朝日、病院にしてすぐ高熱で倒れたのよ。」
「そ…だったな。ハックション!」
「ふふ。そう、朝日、助けてくれてありがとう。…来てくれなきゃ私は…」
「礼はいい、関さんに言ってくれ。俺1人じゃ多分無理だった。」
 流石学年首位2位ペア、プラス親友なんて、こいつらに勝てるやつ居んのか?

「お姉ちゃん!朝日もよかった〜!あいつらはこっちでやっといたから大丈夫だよ!ほんと、心配したんだから〜!」
「ごめんね、真昼。」

 そういや思い出した。救急車で運ばれる少し前、夜空は意識不明になってしまった。俺が倒れる前に処置は終わって、一命を取り留めていた。あと少し遅かったら…って言われたっけ。

「今日って何曜日だ?」
「土曜日、2人とも2日ぐらい起きなくて、先に夜空が起きたの。」
「かなりの高熱で、うなされてたわよ。」

 通りで、体がだるいわけだ。