返信はなかった。何回かけても繋がらず、メッセージも未読。

「仕方ない、手当たり次第探すしか。」
「二手になる?」
「いや、合流しづらくなるししないほうがいいと思う。」

 あの3人ならきっと、夜空を連れ出してなにかするのだろう。もし、何かするなら、人気のない場所を…

「この辺の人気のないところって?」
「えぇ…うーん…この辺細い路地が多いからな…」
「それは、確かに…」

 見つかず仕舞いは避けたい。馬鹿なりの頭で考えている時、ピコンとスマホが鳴った。送り主は夜空、ボイスメッセージが入っていた。

「夜空からだ。」

 再生してみると、しばらく何も聞こえなかった。ただ、耳を覚ましてみると、奥から一定な何かの音が聞こえる。そして、小さくタップオンが聞こえてきた。

『・・・ ーーー ・・・ ・・・ーーー・・・』

 画面を叩く音だろうか、同じリズムが続いた。何度も、何度も『・・・ーーー・・・』が続いた。奥からは乾いた豆を転がす様な音がずっと流れている。リズムは10回繰り返したのち、切れた。

「何だこれ…?」
「タンタンタン、ターターター、タンタンタン、それと豆かなざざぁーって…あっ!分かったかも!」
「マジか、どこだ?」

 彼女は走り出しながら言った、「和蘭(わらん)」と。