今日は告白から1ヶ月、夜空と一緒に帰る約束をしていた。そもそも、早々に夜空と付き合えば、また話が変わってくるのだろう。でも、そうしないのは俺を決心がついていないから。勇気がない、自信がない。
それにしても、どこ探してもいないな。教室にも、部活にも、図書室にもいない。
嫌な予感しかしないのは、今までのことがあったからだろうか。
「あれ?朝日くん?どうしたの、誰か探してる?」
「関さん…!夜空探してるんだけど、いなくて。」
「夜空?あの子なら、クラスの子と一緒に帰ったと思うよ?さっき、校門出たの見たよ。」
帰った?朝から約束してたから、忘れてたか?いや、夜空に限ってそれはないはずだ。寧ろ、俺が忘れてて機嫌を損ねてしまう。
なら…
「誰といたか分かる?!」
「えぇ…!えーっと…美優と姫乃と結奈だったと思うけど…」
美優と取り巻きか…!何回か前、そいつらに陰湿ないじめを受けて夜空は自殺している。敵だ。
「ヤバい、急がないと…!」
ありがとう、と言い捨てると駆け出した。
校門を出てすぐ電話を鳴らす。メッセージも入れて、居場所を知らせる様言う。
「ちょ…朝日くん待ってよ…!」
「明日香さん…!なんで?!」
「いやいや、『ヤバい』とか言ってる時点で心配だし。夜空探すんでしょ?私も手伝うよ。」
「っ…!ありがとう、明日香さん。助かる。」
(朝日くん、夜空のことほんとに好きなんだなぁ)