「知ってるかな?朝日が彼女を作った時、夜空が何を言おうとしたか……朝日を心から祝福しようとしていたんだ。夜空は誰かの幸せの為なら自分を感情をも犠牲にするんだ。お前の事が好きなのに、無理矢理笑って、繕ってた。日々(やつ)れていくのに僕にも真昼にも『大丈夫よ』って笑って、表情こそいつもと変わらなかったがすごく辛そうだった…心から好きなお前が一番信頼していた明日香に取られてしまったから……」

 兄貴の声にも熱が籠る……
 曰く、明日香と黄昏姉妹、特に夜空は仲が良かった。幼なじみだったのだ。幼稚園は年少から、小学校は六年間一緒のクラスで、中学高校では同じ部活で生徒会。中学では、夜空は生徒会長、明日香は生徒会会計だったか。高校は明日香が「一緒がいい」と言って、頑張って夜空のレベルまで上げた、それぐらい離れがたかったようだ。
 「私よりも姉妹みたい」と真昼は言った。