涙が止まらない……一旦止まっても、思い出すとまた出てくる。夜空の心苦しさに気付けなかった俺に、泣く資格なんてないのに、頬を伝う涙は無情にも流れる。

 兄貴が俺にも別れをしろ、と言った。姉弟なんだから…と言われたとき、何かに棘が刺さったように傷んだ。夜空の遺影は薄く笑みを浮かべていた。あれは俺が新しい家族で初めて行った旅行で撮ったものだった。

 鼻声になるのを必死に抑えて、夜空に最後の言葉を掛ける。

「っ………よ、夜空…、姉さん……、弟が俺なんかで……本当に…ごめんなさい……」
「朝日…」
「…………。」