私は、本当に何も知らない。

 ただどの朝日をとっても、タイミングがいいのだ。

 欲しい時の欲しい言葉をくれる。

 自殺行為もストーカー被害も朝日が止めてくれた。

 それも手早く。

 朝日は何かを隠してる。

 それを無理矢理にでも聞こうとはしない。

 ただ朝日は一人で抱え込むのは避けたいのだ。

 私が朝日を支えたいのは、もう十分なほど支えられたからだ。

「まあ、ひとつ言うなら」
「ん?」
「俺は夜空が大好きだ、ってことくらい。」

 のぼせたか?、顔から熱くなるのが分かる。

「大丈夫か?」

 顔がはっきり見える程、近い…

「大丈夫よ…///」
「ふぅん…残念ながら俺は大丈夫じゃなさそうだわ。」

 唇が触れるまでに時間はなかった。

 彼の舌が唇をなぞった。

 背中がゾワゾワして仕方ない。

「ふぁっ…///!はぁはぁ…///」
「のぼせた?」

 余裕そうな朝日の顔は大嫌いで…大好きだ。

「むぅ…大丈夫よ!」
「ははっ!そうかよ。」

 私は何よりも、歯を見せて笑う朝日が好きなのだ。

『夜空!早く来いよな!』

 何気なかったあの笑顔に私は惹かてた。

 私を呼ぶあの彼に…

「私…もう出るわ。」
「俺もそうする。」

 同時に立ち上がって、湯が波立ちふらついた。

「おっと…」

 朝日に寄せられ転ぶことはなかった。

 でも…

「「っ///!!!」」

 裸の男女、かつ交際中なのだ。

 ガタイがいいのは日常で知っていたが、なんというか…硬い。

 肌同士が密着して…

「もう大丈夫だから///!!!」

 もう朝日が…格好良すぎて困る…