「何かあんのか?」
「……寂しいの、せっかく付き合えたのに…貴方イギリスに行くのでしょう?真昼も離れてしまうし、貴方ともそう会えなくなってしまう。それがどうしても…寂しく…」
先程までの笑顔はどこへやら、不安げな声色を奏でた。
「そうか…」
「だってイギリスの女の人って皆綺麗でしょう?不安にしかならないわ。もし、目移りされたら…」
随分信用がないな。
「それは、俺もだぞ?パリの男性は紳士なんだろうなぁ、ってちょっと怖い。けど、俺は夜空を信用するぜ?俺を好きでいてくれるって、な。」
「朝日…ごめんなさい、私ったら…」
「大丈夫だ。会えなくなるまで、飽きるほど好きって思わせてやるよ。」
「なっ…////!もう十分よ…////!」
外を向かれてしまった。
包むようにバックハグをする。
「おやすみ、お姉ちゃん。」
耳元で囁いてみたが、反応はしなかった。
でも、胸の音は一段と速くなった。
それからしばらく夜空は起きたままだったようだ。
朝、肌荒れがどうのこうの騒いでいたから。
「おはよう、お姉ちゃん?大変そうだな。」
「朝日…お陰様で隈を隠すのが大変よ。」
何があったの、という顔を真昼がいるが、こればかりはナイショだ。
「あらあら、仲が良くていいわねぇ。」
「朝日は自慢の息子だけどぉ、夜空は彼のどこが好きなのぉ?」
(((それは貴方もですが?)))
未だ父の魅力が分かってない子供達だった。