夜空と付き合うのは、イケメンでエリートで、なによりもあいつを思っている人、なんだろうな…そうだ、その通り…愛情とは言い難いこの姉弟愛を、誤魔化して、偽って、繕って…

「そう言えば、夜空に彼女紹介してなかったよな?」
「っ………そ、ね。明日香で、しょう?でも知ってる、わよ?生徒会、だもの…それに……」

 そう言うと、彼女の話をつらつらと並べた。一つ一つの行動や癖、言葉を伝えた。ちゃんと、誤魔化せている……

「案外あいつ、一つ一つが丁寧なんだけど、おっちょこちょいでさ。見てて飽きないんだよな。」
「そう……ね。」
「あー、何か思い出したら会いたくなってきた。」
「………そ…う」
「なんか、彼氏ってこんな感じのんだなぁって、恋人になって浮かれるってこんな感じなんだなぁって分かった気がする。」

 こんな姉弟愛は、似合わない、から……こんな感情、捨てなくちゃいけない、から……誤魔化す為に、偽って、取り繕って、感情は暗く心の夜の底に深く深く沈めて…