「それにしても
　入れ替わるのと自分の姿に戻るタイミングが予測不能だと本当に困るよな」


　桐生くんが話し終えてすぐ。
　自分の姿に戻ったばかりの龍輝くんが口を開いた。



　私と龍輝くんは自分の姿に戻ったばかり。
　だけど特に体調に問題はない。

　身体が重く感じるとか頭がぼーっとするなどの症状もない。


　なので龍輝くんは呂律が回らないということもなく、しっかりと話をすることができている。


「今回は休みの日で最初のときは寝ているときだったから、まだよかったけど、
　場所によっては、それまでのようにはいかないかもしれない」


　確かに龍輝くんの言う通り。
　今回も最初のときもタイミングが良い方だったと思う。


「学校にいるときや通学で電車に乗っているときとか
　そういうところだと場合によっては大事(おおごと)になってしまうだろうな」


　大事(おおごと)。
　そうなってしまったら、かなり困る。

　だけど、あり得る、十分に。
　そういうところで起こってしまう確率も。


　そうなってしまったとき。
　どう行動すればいいのだろう。

　きっと、これまで以上に頭の中がパニックになって、どうすることもできないような気がする。