翌日、予想通り、宗弥は学校に来なかった。
田所先生は、私達に何を言う訳でもなく、淡々といつも通り、聞き取りづらい授業を行っている。
私は、気づいたら涙が、溢れていた。いつも私を助けてくれた、宗弥にはもう会えない。
ーーーー永遠に。
田所が、黒板に向かっている間に、学が、手のひらで、サインをだす。
「な・く・な」
私も、先生のチョークの音を聞きながら、右手でサインをだす。
「ゆ・る・さ・な・い」
ゆっくりと黒板から、振り返った田所と目が合った。私は、思い切り睨みつけた。
ーーーー私達の勝ちだ。
新しい言葉を、創り出した私達は、もう言葉など、発しなくても、通じ合えるから。
学の創り出した、新しい言葉は画期的だった。
あらかじめ二人で決めておいた、平仮名46文字を、5本の掌の指先を使って、サインで会話するのだ。
これなら、口から言葉を吐き出すことも、禁止言葉をうっかり口にすることもない。
自由に思ったことを相手に伝えられるのだ。
私は、蛇のような眼差しを向けてくる田所に向かって、ふっと笑った。
田所先生は、私達に何を言う訳でもなく、淡々といつも通り、聞き取りづらい授業を行っている。
私は、気づいたら涙が、溢れていた。いつも私を助けてくれた、宗弥にはもう会えない。
ーーーー永遠に。
田所が、黒板に向かっている間に、学が、手のひらで、サインをだす。
「な・く・な」
私も、先生のチョークの音を聞きながら、右手でサインをだす。
「ゆ・る・さ・な・い」
ゆっくりと黒板から、振り返った田所と目が合った。私は、思い切り睨みつけた。
ーーーー私達の勝ちだ。
新しい言葉を、創り出した私達は、もう言葉など、発しなくても、通じ合えるから。
学の創り出した、新しい言葉は画期的だった。
あらかじめ二人で決めておいた、平仮名46文字を、5本の掌の指先を使って、サインで会話するのだ。
これなら、口から言葉を吐き出すことも、禁止言葉をうっかり口にすることもない。
自由に思ったことを相手に伝えられるのだ。
私は、蛇のような眼差しを向けてくる田所に向かって、ふっと笑った。