「全部ママのせいだよっ!パパ達が可哀想っ」

私は、心の中で笑いながら、涙をこぼし、大きな声で泣いた。

「沙羅、ごめんな、パパ達がふがいないせいで、沙羅に嫌な思いをさせたな」

一也が優しく私の頭を撫でる。

「僕が沙羅ちゃんに、お母さんの事聞いたせいで、泣かせてごめんね」

俊治が、申し訳なさそうに頭を下げる。

「沙羅ちゃんは、優しいね。俺達の事を気遣ってくれて」

真澄が私の手を握りしめ、優しく微笑む。


三人の父親達が、私の周りに集まり、私だけを見ている。

(最高……)

「……ひっく、ママは、パパ達をちゃんと愛してないけど、私は……パパ達の事が大好きなの。娘の私の事を無条件で愛してくれるのは、パパ達だけだよ。もうママじゃなくて、私だけを愛して……」

その夜、私達は、リビングに布団を敷いて四人で並んで眠った。

ようやく、新しい家族の絆みたいなモノが、心に糸を張った気がしていた。