牢屋に入れられると、明日裁判だと宣告された。
 陛下は会いには来てくれない。

(陛下……直接お会い出来たら……)

 悲しみで押し潰されてしまいそうだ。
 ヒンヤリとした石に包み込まれた空間で、あまりの衝撃にしばらく動けないでいたが――。

「あ……」

 胎動を感じて、私は一気に正気に戻る。

(どうにかして、この子を守らないといけない……こんなところでくじけてはいけない。それに……)

「あの言葉、直接陛下から聞かされたわけではないもの……私は私を友だちだって言ってくれた陛下を信じるわ……!」

 勇気を奮い立たたせ、私は来たるべき裁判に備えることにしたのだった。