――幸せな毎日が過ぎていく。
部屋で子どものための産着を縫っていた、その時――。
突然、バンっと扉が開かれる。
わらわらと部屋の中に入ってきたのは――衛兵達ではないか。
「な、何……?」
先頭にはなぜか丞相の姿があった。
「金麗華殿、貴女を不義密通の罪で捕縛させていただきます」
「不義密通……? そんなこと、あるはずが……」
相手が何を言っているのか分からず困惑していると、丞相と衛兵達の後ろから現れた妖艶な美女――曹貴妃が声高に叫ぶ。
「お父様! 私はその女が、他の男を連れてきているところを見ました……!」
丞相が畳み掛けるように続けてくる。
「現在、後宮内で最高位である曹貴妃がこのように申しているのだ。連れて行け――」
衛兵達が私のことを取り囲んだ。
「そんなっ……! そんなはずは……! 陛下はなんと仰せなのですか?」
すると、丞相が冷たく告げてきた。
「『不義密通を働くような女は後宮には必要ない、そんなにも皇后になりたいのか』と――」
「あ、そんな……」
そうして――私の言い分は何も通らないまま、冷たい牢屋の中に入れられたのだった。